「小さいころ、ひどいことをされ、親をゆるすことが出来ません。どうしたらいいでしょうか」。
よくこのご相談を受けます。
本当は、理想は、親を赦すことができれば、一番良いと思います。傷つけられたあなたの思いは本当に痛いほど分かります。とはいえ、やはり親は親でも、親である前に人間ですので、色々とあなたにとって間違った対応をしてきたこともあるでしょう。
親の視点から見れば
私も40歳を過ぎていますので、最近、親の立場で物事を見る機会も増えました。
私は子どもこそいませんが、時々パートナーとのやり取りの中で思うことがあって。色々と生活を一緒にすることになりますが、やはり意見の食い違いってでてくるんですよね。そして、やっぱりお互い感情的になり、ちょっと口調が強くなってしまったりあるんですよ。そして、ふと「子どもがいたら」と考えるんです。「こんな時、ちゃんとした対応を子どもにできるだろうか。」ってね。難しいだろし、まだ、私は感情のコントロールが上手な方だと思いますが、大体のお母さんはこれ、難しいんじゃないだろうかと、思うんですよね。よくないことなのですが、子どもにあたってしまったり、子どもの前で大喧嘩になったり、って普通にあると思うのですね。親の立場にたてば、なかなか子育ても、マニュアル通りには難しいんじゃないかなと思います。親に感情がある分、なかなか、これが難しいのだろうなと、この年齢になって分かります。
時代背景もありますね・・・・
また、時代も変わりましたね。
うちの親は小さい頃、藁の上で生活していたらしい笑。貧しく暮らしていたみたいで、今のような恵まれた環境ではなかったみたいですから、その日その日を暮らすのが精一杯だったようです。今だからこそ、日本は豊かになり、今のように情報量も増え、「このようにしたら子どもは良いように育つよ」っていう情報や研究結果もでてきましたが、昔の日本ではここまで言われていない時代でした。そういった日本があり、今に至ります。
まだ私の父親の世代がそうですから、またそれに育てられてきた私達のような子ども世代もいるし、時代は変わりつつもグラデーション化しているとは思います。「子育てはこうあるべき」と巷ではよく言われていますが、それでもそれを完璧にこなせている人ってどのくらいいるのだろうと疑問に思います。時代にすぐに対応できない人がほとんどだから、完璧な子育てなど出来ていなくて当たり前、なのだろうと思います。
教育とか子育てとかって、時代とともにゆっくりとかわっていくものだろうなと思っています。
前世で、あなたも親に対して同じことをしていた可能性もある
色々ある親子だからこそ、じつは縁が深いこともあるのですね。ちょっと厳しいことをいうのですが、もしかしたらですよ、前世であなたが、親に同じことをしていた可能性もあるんですよね。もし暴力をふるわれて育ってきたならば、もしかしたら、前世であなたが親に対して暴力をふるってきたことも考えられます。
とは言っても、やはり親が許せない
そうですよね。そのお気持ち、よく分かります。かつての私がそうでしたから。
これってね、実は自分のインナーチャイルドが絡んでいます。
「親のことで傷ついた自分」が実際に心のなかにいて、それが強烈に怒っているのです。つまり、あなたの心のなかに、どうしてもそこを許せない、もうひとりの自分がいるのですね。自分の分身が。
そこに、もう一人の「親を許せない自分」がいるからそういった感情になっているのだと思っています。
インナーチャイルドをすると、親に対して憎しみがなくなっている、といった感想を多く頂戴します。実は私もその一人で、全く憎しみがなくなりました。かつてのわたしは、「人は誰しも恨んではいけない。そして親をもうらんではいけない。」そのことを頭では分かっていたのですが、心では出来ない自分を 情けないなって思っていたんですけど。
それでも、そういった感情がなくなっていきました。
私の同期3人いるのですが、インナーチャイルドヒーリングをすると、「たしかに親にされた嫌な出来事があったのはあったんだけど、記憶が薄れている。思い出そうと思っても思い出せない」とみんな同じ感想を持ちました。不思議ですよね。親のかつての言動にとらわれなくなってきました。
理想はね・・・
人間ですから、「赦す」といってすぐ赦すことが出来ないことがほとんどですし、それが普通の姿ですよね。決してご自身を責められないでくださいね。それは今まで自分が我慢してきた証拠でもあります。だから、赦せなくて当然でしょう。
でも、やはり、生きていくのは自分だから、いつまでも憎しみを抱いてもね、いつまでも親の過去の言動にとらわれる人生もね、なんか、もったいないでしょう?憎しみを抱き続けて生きていたら、いつの間にか自分の性格も歪んでいくような感じもします。インナーチャイルドヒーリングをすると、人間関係の摩擦がなくなってくるくらいですから、やはり過去からの縛りから開放され、自分がなるべくいい心の状態でいることが幸せになる必須だと思うのです。
仲良くしたくなければ仲良くしなくてもいいと思います。でも、最低限、「親は親の人生」「自分は自分の人生」というふうに切り分けて考えられるようになればいいですね。それは「今すぐ」でなくても、できるときでいいと思います。
親も人間として学んでいる途中です。子どもであるあなたも人生何かを学んでいる途中です。
みんな人間である限り、何かを学んで成長をしているんですね。
いつか赦すことができる日がきますように。